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現在、個人タクシーになるには大きく分けて2つの方法があります。
一つは譲渡譲受。現役の個人タクシー運転手からタクシー車や決済機器を丸ごと譲り受ける方法。
この方法は申請から認可まで3ヶ月です。
もう一つは新規参入でタクシー車も決済機器も自分で購入したりリースしたりして、運輸局に申請をする方法。
この方法は申請から認可まで5ヶ月です。
私の場合、個人タクシーになると決めてからの当初は後者の新規参入で考えていましたが、申請から認可まで5ヶ月かかると知ってから前者に切り替えました。
理由は申請から認可までの3ヶ月なら経済的な面で稼がなくても耐えられると思いましたが、5ヶ月間ともなるとかなり厳しいと判断したためです。
なぜ経済的に苦しくなるかと言いますと、認可までの間は事故や違反が絶対にできません。
なのでどうしても売上が低くなりがちです。売上が低いのであればまだしも、私の場合は絶対に個人タクシーになることを決めていたので、ハンドルを握るのを辞めました。
ということは売上ゼロです。
私の場合は有給休暇が残っていたので、申請から認可までの期間はハンドルを握らず、有給休暇を利用させて頂きながら、会社に所属していました。
ハンドルを握らなければ、違反や事故のリスクがゼロになるので確実に個人タクシーになることができます。
ではハンドルを握ったら事故や違反のリスクがあるのかと言われれば、プロドライバーとは言えど否定はできません。
なので私は経済的なリスクの方を取ることにしました。
新規参入の場合は5ヶ月間も待たなければならないので、もしハンドルを握りながら認可を待っていれば、違反や事故のリスクが尚のこと高まります。
違反や事故のリスクをゼロにするために、ハンドルを握らないとなると、乗務をしないことになります。
そうすると収入が途絶えますので、もし貯金が無ければ他の仕事をしながら認可を待たないといけなくなる可能性が高くなります。

私の場合は、家の購入で頭金を使ったり、育児休暇中に貯金を使い果たしたりしていて、個人タクシーになると決めてから売上のペースを落としていったので、貯金はほぼ無いままハンドル握るのを辞めたので、他の仕事をしながらの認可待ちになりました。
ちなみに40歳の私が今更どんな仕事が良いのか考えたところ、予想とは違い意外と色々ありました。
例えば、チラシ配り、警備員、飲食店、季節限定の仕事、宅配便のピッキング、スーパー品出し、コンビニ等です。
結果、、、何をやったかと言いますと、、、
①お中元のピッキング
②お盆限定スーパーでの冷凍食品担当
③地元の小学校サッカークラブ合宿の手伝い
④ウーバーイーツ
⑤夏休み限定の学童クラブ指導員※こちらは面接に受かりましたが、管理課の人間を好きになれず辞退させて頂きました。

結果的には4つの仕事をこなして認可を待ちました。
経済的なリスクを取ったことによりハンドルを握らずに済み、個人タクシーの譲渡譲受を確実に遂行させることができました。
本当に有給休暇を残していて良かったと思いましたし、所属させて頂いていたタクシー会社も私の事情を理解を示してくれて感謝しています。
ちなみに開業資金の200万円の内、ほとんどは借金です。
お金が無くても個人タクシーになれることは証明しましたが、開業してからツケが回ってきます。
それでも私にとっては個人タクシーライセンスの方が重要だったので、金銭的なツケなど何のその。

現状の個人タクシー業界の組合員が年々、減ってきているということもあってか、新規参入の枠が開かれていき、更に譲渡譲受のバランスも変わってきています。
少し前は譲渡する人が譲受人が見つからないという状態だったようですが、今は地理試験が無くなり、法令試験だけになったため、譲受人候補者が増えているようで、大概の組合は譲受人が待ちの状態で、譲渡者を探すのが大変なようです。
私も譲渡人を探すのは少し苦労しましたが、運良く見つけることができたために今があります。

という事で、個人タクシー事業者になるのには何かをリスクに晒すのが最も近道な方法です。
ということが私は言いたかったのです。
もし個人タクシー申請時の年齢が40歳以上であれば、早い段階でハンドルを握らない選択をオススメします。
また39歳以下は認可までハンドルを握り続けなければならないというハードルがありますので、できるだけ無理せず乗務することをオススメします。
もし個人タクシーになりたい方が応援しますので、お気軽にご連絡ください。

先月の8月21日に運輸局から認可を頂いてから、およそ3週間。
いよいよ明日から個人タクシーをスタートします。
明日は9月11日のテロの日です。
開業日は覚えやすい方が良いと思い、この日を選びました。

思い返せば法人タクシー時代の研修期間を入れると、もう13年間も経過して、今月で業界14年目になります。
当時は腰掛けで始めて向いてなかったら3ヶ月間でやめようと入社して、あれよあれよと3年目で年収1000万円を達成しました。
まさか27歳で入社して、30歳で年収1000万円を超えると夢にも思わなかったです。
そこまでの道のりでも色々ありましたが、その後も色々な事を経験させて頂きました。
お世話になった会社にはとても感謝しております。

個人タクシーデビュー前日ということがあってか、眠れないためというのと、開業日前日の記念投稿として綴っています。
意外かもしれませんが、実は2025年の9月頃のちょうど1年前までは個人タクシードライバー個人タクシーになろうなんて思ってもいなかったです。
むしろどうやってタクシー業界から足を洗おうかとずっと考えていたくらいですから。
それがなぜ今に至ったのか。

まず10月に運転記録証明書なるものが会社のレターケースに入っていて、まさかの違反なし扱いになっていたことがきっかけでした。
なぜ違反なしに驚いたかと言いますと、2023年の8月上旬頃に1点6000円の違反をしていたからです。
どういうことかと言いますと、2023年8月より前の3年間に無事故無違反を継続していたために、特例で違反点数1点または6000円の罰金くらいの軽微な違反に関しては1年経過するとリセットされるというルールがあります。
これに僕は該当したため、まさかの個人タクシーへの道が急に開けたのです。

タクシー会社へ入社した頃は事故や違反を繰り返し、少し慣れてきた5年目や6年目くらいで1年に1回のくらいの違反をするという感じで来ていたため、自分は年に1回くらい何かの違反で警察のお世話になっているというイメージでした。
その後は経験を重ねた結果、業界8年目くらいからはほとんど違反をせずにいたようです。

すごいのは当時の運行管理者が僕の将来を言い当てていたことです。
その人は業界30年以上の大ベテランでした。
僕が営業中に何かやらかして帰ってくると<
「お前は売上だけしか役に立たない!」
と言いつつも、
「でもお前はそのうち事故や違反が無くなるから安心しろ」
とも言っていました。

今思い返せば、本当にその人の言った通りになっているから、やっぱり業界30年ともなると、見る目が肥えるんだろうなと思っています。
もしかしたら僕が入社した当時2012年頃はまだ20代ドライバーが少なかったためか、とても大切にされていましたし、本当に大切にしたいと思われていたらこそ、敢えて優しい言葉もかけてもらっていたのかもしれないとも思っています。

とにかく今までタクシー業界にいて、良い思い出がたくさんありますが、明日からはステージが変わります。
個人タクシー事業者になっても、自分の未来に希望を抱きながら、今夜はぐっすり寝たいです。